エンベロープは、どういうインジケーターなんだろう?見方・使い方を知りたいな。
エンベロープとは、真ん中に移動平均線を引き、上下に移動平均線との乖離率を線で表示したものです。
移動平均線は、過去の価格の平均値なので、離れすぎた価格は移動平均線に戻ってくるという性質を元に作られています。
以下の記事では、エンベロープの設定値・使い方について詳しく解説していきます。
エンベロープとは
エンベロープとは、真ん中に移動平均線(SMA)を引き、上下に移動平均線との乖離率を線で表示したインジケーターです。
移動平均線=相場の平均値なので、『価格というのは、いずれ移動平均線に戻ってくる』という理論の元、乖離率は使われています。
ボリンジャーバンドとの違い
ボリンジャーバンドも移動平均線を元に作られているので、インジケーターの形は似ています。
しかしながら、エンベロープは、【移動平均線との乖離率】を計算するのに対し、ボリンジャーバンドは【標準偏差】を元に計算されています。
ボリンジャーバンドについては、↓の記事に詳しくまとめています。
エンベロープのおすすめ設定値
エンベロープのおすすめ設定値を、以下で詳しく解説していきます。
移動平均線の設定値
エンベロープの移動平均線の設定値は、【20】がおすすめ。
なぜならば、【20日=5日×4週間=1ヶ月平均】になるからです。
しかしながら、エンベロープは短期トレードに使われることも多いので、【20】でも【25】の設定値でも問題はありません。
※どちらでも大丈夫ですが、コロコロ設定値を変えるのはやめましょう!
乖離率の設定値
乖離率の設定値は、取引する時間足・通貨・値動きで変える必要があります。
なぜならば、各通貨の値動き・ボラティリティによって、乖離率が異なるからです。
基本は、チャートを見ながら、エンベロープに触れて、何回も反転した所に合うように数値を設定します。
いちいち設定値を変えるのが、めんどくさいという方は、簡単に使える【移動平均乖離率】のオシレーターを使うことがおすすめです。
エンベロープの見方
- ローソク足と移動平均線の位置関係
- 移動平均線の向き
- 乖離線の近くに価格があるかどうか
エンベロープは主に、上記の3点を注意してみます。
詳しく解説していきます。
ローソク足と移動平均線の位置関係
- ローソク足が移動平均線の上にある場合⇒強気相場
- ローソク足が移動平均線の下にある場合⇒弱気相場
ローソク足と移動平均線の位置関係を見ながら、現在の相場がどういう状態なのか判断できます。
移動平均線の向き・角度
- 上向き⇒上昇相場
- 下向き⇒下落相場
- 移動平均線が急角度⇒強い相場
- 移動平均線が緩やかな角度⇒弱い相場
移動平均線の向き・角度からも、相場の方向・強さが分かります。
乖離線の近くに価格があるかどうか
エンベロープは、真ん中に移動平均線(SMA)があり、上下に乖離率を示した線があります。
移動平均線から一定の距離離れたローソク足は、真ん中の移動平均線に戻ってきやすいです。
そのため、上下の線付近の値動きは、大切な判断材料になります。
エンベロープの使い方
エンベロープの使い方について解説していきます。
逆張り戦略が有効
エンベロープは、「移動平均線と価格が乖離すると移動平均線に戻る性質がある」ことに注目して作られたインジケーターです。
そのため、基本戦略は【逆張り】を狙います。
↑の画像を例に言うと、移動平均線の向きを考えながら、乖離付近のローソク足の形・抵抗帯を考えながら、逆張りをしていきます。
利食い
移動平均線の向きを考えながら、自分がポジションを持った1つ下の線タッチで利食いをした方が安全です。(欲張ると価格が戻ってくることもあるため)
移動平均線の向きが横ばいのレンジ相場では、同じ値幅で動くことが予想されるので、↑の画像の例で言うと、上の赤い線でショートポジションを持ったら、下の赤い線まで利益を引っ張ることがおすすめです。
損切り
↑の画像の例のように赤い線で、ショートポジションを持った場合、次に赤い線を超えたら、損切りです。
エンベロープの最強の手法
エンベロープで使える最強の手法について解説していきます。
環境認識を意識した手法
エンベロープの使い方と合わせて、環境認識を意識した手法がおすすめです。
エンベロープは、逆張りをメインで考えていくので、環境認識をすることにより、値幅を狙うことが可能になります。
環境認識のやり方については、↓の記事で詳しく解説しています。
チャートパターンを使った手法
チャートパターンを考えながら、エンベロープのエントリーポイントを探す手法もおすすめ。
トレードに必要なチャートパターンは、↓の記事で詳しく解説しています。
エンベロープのよくある質問
- スキャルピングでも使うことができますか?
- ゴールドなどのCFD取引でも使えますか?
- 順張りでも使うことができますか?
エンベロープのよくある質問は、上記の通りです。
詳しく解説していきます。
スキャルピングでも使うことができますか?
エンベロープは、スキャルピングなどの超短期売買にも対応することができます。
しかしながら、急激な値動きをする統計発表時・要人の発言などのボラティリティが高い相場では、エンベロープは値動きについていけないため、向いていません。
そのため、エンベロープは、レンジ相場・トレンドが発生している時など分かりやすい相場の時に使いましょう!
ゴールドなどのCFD取引でも使えますか?
エンベロープは、ゴールドなどのCFD取引でも使うことができます。
また、チャートで表示できるものなら何でも使えるので、仮想通貨にも使用が可能です。
順張りでも使うことができますか?
エンベロープは、逆張り戦略がメインですが、順張りでも使えます。
順張りをする場合は、移動平均線の向きの方向に合わせてトレードしましょう。
MT4でエンベロープを表示させる方法
MT4でエンベロープは、デフォルトで搭載されていますが、少しコツが必要なので、解説していきます。
↑MT4のインジケーターリストをクリックします。
↑【トレンド】⇒【Envelopes】をクリックします。
- 期間
- 移動平均の種別
- 偏差
【Envelopes】 の設定画面は、主に↑の3つを変更します。
移動平均線の種類 | 特徴 | デメリット |
---|---|---|
単純移動平均線(SMA) | 一定期間の平均線 | 線の動きが遅いため、相場の初動をとらえにくい |
指数平滑移動平均線(EMA) | 過去よりも、直近の値動きに比重を置いているため、反応が早い | 直近の値動きに大きく反応するので、ダマシが多くなる |
加重移動平均線(WMA) | 一定期間の価格の比重を直近に向けて重くするので緩やかな相場に強い | 急激な値動きに弱い |
移動平均の種別に悩んだら、【SMA】【EMA】がおすすめです。
真ん中に移動平均線を表示させる方法
真ん中に移動平均線を表示させるには、移動平均線のインジケーターを新たにリストから選ぶ必要があります。
【トレンド】⇒【Moving Average】をクリックし、エンベロープで使っている、移動平均線の期間・種類の設定をします。
線の色を変える方法
エンベロープの色を変更するには、【色の設定】を選択します。
まとめ:エンベロープは【逆張り】戦略で取引する
エンベロープとは、移動平均線との乖離率を上下に線で表示したものです。
エンベロープを使った取引は、【逆張り】戦略で考えます。
オシレーターも一緒に使うと、天井・大底を見抜けることができるため、逆張りの勝率が高くなる可能性があります。
エンベロープ以外のインジケーターは、↓の記事にまとめています。