ボリンジャーバンドは、どういうインジケーターなんだろう?ボリンジャーバンドの見方・使い方を知りたいな。
ボリンジャーバンドとは、真ん中の単純移動平均線を中心に、上下に標準偏差からなる1~3本の線を表示させたインジケーターです。
『すべての価格はバンド内に収まる』という統計的な観点から、値動きを予測してチャート上に表示します。
ボリンジャーバンドの基本的な3つの形を覚えれば、初心者でも簡単に取引タイミングが分かります。
以下の記事では、ボリンジャーバンドの設定値・使い方を解説していきます。
ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドとは、アメリカの投資家【ジョン・ボリンジャー】が開発したトレンド系インジケーターです。
一般的には、真ん中には単純移動平均線(SMA)があり、1標準偏差(1σ)・2標準偏差(2σ)・3標準偏差(3σ)の線を上下に表示します。※σは「シグマ」と読みます。
ボリンジャーバンドは、標準偏差を使い統計学的に、チャートがバンド内に収まるかどうかを考える指標です。
- ボラティリティの有無(値動きの激しさ)
- 相場のトレンドの有無
ボリンジャーバンドでは、主に上記の2つのことが分かります。
標準偏差とは
標準偏差とは、ある一定期間のデータの平均値からどのくらいばらつきがあるかを計算した数値です。
線の種類 | 特徴 | 確率 |
---|---|---|
±1σ | 一定倍率を【1倍 or -1倍】したライン | 68.3% |
±2σ | 一定倍率を【2倍 or -2倍】したライン | 95.4% |
±3σ | 一定倍率を【3倍 or -3倍】したライン | 99.7% |
各σの特徴と、ボリンジャーバンド内に終値が収まる確率は上記の通りです。
標準偏差の計算式
標準偏差=√(n×n日間の終値の2乗の合計-n日間の終値の合計の2乗)÷(n×(n-1))
±1σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差
±2σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2
±3σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3
標準偏差の計算式は、上記の通りです。
計算式を覚える必要はありませんが、ボリンジャーバンドの特徴を知る上では、重要な知識になります。
ボリンジャーバンドのおすすめ設定値
ボリンジャーバンドの開発者である「ジョンボリンジャー」は、『中期的なトレンドと、ボラティリティの情報を知るのに十分な期間があればよい』として、基本期間は【20】を推奨しています。
20という数字は、1週間で5日の取引日があるため、5×4週間で1ヶ月の平均値という考えだと思われます。
また、ボリンジャーバンドと言うと、真ん中の移動平均線の上下に3本づつの【σ(シグマ)】があるイメージをされる方が多いですが、ジョン・ボリンジャーは±2σだけ使用しています。
ボリンジャーバンドの見方
ボリンジャーバンドの見方について解説していきます。
ボリンジャーバンドの幅を見る
- 幅が広い⇒ボラティリティがある
- 幅が狭い⇒ボラティリティがない
ボリンジャーバンドのバンド幅を見ることで、ボラティリティが分かります。
バンド幅が広い・狭い時でトレードの仕方が変わりますが、一目で分かるので、初心者でも使いやすいです。
移動平均線の向きが大切
- 上向き⇒上昇圧力が強い
- 下向き⇒下降圧力が強い
- 横ばい⇒方向感がない
ボリンジャーバンドの真ん中にある単純移動平均線の向きの考え方は上記の通りです。
移動平均線をみることにより、相場の変化・向かう方向を知ることができます。
トレンドが発生している時に、押し目などの抵抗に使われることも多いです。
【必須】ボリンジャーバンドの3つの形
- スクイーズ
- エクスパンション
- バンドウォーク
ボリンジャーバンドの基本的な上記の3つの形を覚えましょう!
スクイーズ
ボリンジャーバンドの線の幅が狭くなっている(レンジ相場)を『スクーズ』と呼びます。
線の幅が狭くなればなるほど、相場は膠着している状態で、パワーを貯めています。
エクスパンション
スクイーズ後の、ボリンジャーバンドの線の幅が広くなった状態を『エクスパンション』と呼びます。
エクスパンションした後は、非常にボラティリティが高くなるので、急な値動きに注意が必要です。
バンドウォーク
バンドウォークとは、1σとか2σに沿って相場が動いていることを言います。
バンドウォーク=トレンドが発生している状態なので、『順張り』で戦略を立てた方が勝率は上がります。
ボリンジャーバンドの使い方
ボリンジャーバンドの使い方について解説していきます。
順張りのやり方
ボリンジャーバンドで【順張り】をしたいなら、スクイーズ後のエクスパンションした方向に順張りしていきましょう!
バンドウォークしている間は持ち続けて、【1σを終値で割ったら】or【移動平均線を終値で割ったら】などの利確ルールを持ちながらやると、ダマシにあっても軽傷で済みます。
逆張りのやり方
ボリンジャーバンドで【逆張り】をしたいなら、3σにタッチしたら逆張りをするという戦略がおすすめです。
しかしながら、強いトレンドが発生していると、3σでバンドウォークみたいな動きになるので、損切りラインはしっかりと決めておきましょう。
天井・大底を教えてくれるオシレーターを使うことで勝率は上がります。
レンジ相場では逆張り
ボリンジャーバンドのスクイーズ(レンジ相場)では、±2σタッチで逆張りをすることがおすすめです。
ボリンジャーバンドの最強の手法
ボリンジャーバンドは、トレンドの有無・ボラティリティの強さが分かりますが、相場反転のタイミングは分かりづらいという欠点があります。
そのため、他の根拠と合わせた手法がおすすめです。
チャートパターンと組み合わせた手法
ボリンジャーバンドだけでは、相場の転換点が分かりづらいので、チャートパターンと組み合わせて考えましょう。
FXで知っておくべきチャートパターンについては、↓の記事で詳しく解説しています。
エリオット波動と組み合わせた手法
トレンドの終焉までには、一定のリズムがあります。
エリオット波動を知ることで、トレンドの終焉までの流れを、事前に知ることができます。
ボリンジャーバンドのバンドウォークと組み合わせて考えることで、利益を最大限に伸ばすことができるのでおすすめです。
エリオット波動の使い方については、↓の記事で詳しく解説しています。
【注意】ボリンジャーバンドにも『絶対』はない
ボリンジャーバンドの注意点・ダマシ回避方法を解説していきます。
2σを超えることは頻繫にある
ボリンジャーバンドは、統計的に計算されていて、2σ以内に収まる確率は95.4%という驚異的な数字を示しています。
95.4%と言うと、ほぼ確実な気もする方も多いと思いますが、相場では頻繁に2σを超えることがあります。
強い相場では、3σを大きく貫くこともある
強い相場では、3σを大きく貫くことがあります。
なので、【2σ】or 【3σ】にタッチしたから、すぐに逆張りをすることは、危険なので絶対にやめましょう!
エクスパンションの方向が必ずしも正しいとは限らない
スクイーズ後のエクスパンションの抜けた方向に相場が追随しやすいですが、ダマシで逆方向に動くこともあります。
そのため、エクスパンションの方向を絶対に過信しすぎることは禁物です。
ダマシ回避方法
- 長期足の流れを考える
- オシレーターを使う
上記を考えながらトレードすると、ボリンジャーバンドのダマシを回避する可能性が高くなります。
ボリンジャーバンドと組み合わせているオシレーターは【RSI】・【MACD】を使っている人が多いです。
【補足】MT4でボリンジャーバンドを3本表示する方法
MT4のデフォルト設定は、ジョンボリンジャーが推奨している【±2σ】だけが表示されています。
しかしながら、1σ・3σも表示したい方のために、MT4でボリンジャーバンドを上下3本表示する方法を解説していきます。
上下3本表示する方法
MT4の画面の上にある【インジケーターリスト】をクリックします。
インジケーターリストを開いたら、【トレンド】⇒【Bollinger Bands】を選択します。
MT4のボリンジャーバンドの変更は、プロパティーのパラメーターからできます。
1本のボリンジャーバンドが表示されたら、標準偏差を変えて、もう1本のボリンジャーバンドを表示します。
3本目も同じ手順で表示します。
3本表示すると、表示中のインジケーターは3つボリンジャーバンドになります↑
まとめ:ボリンジャーバンドは初心者でも簡単に使える
ボリンジャーバンドとは、真ん中の単純移動平均線を中心に、上下に標準偏差からなる1~3本の線を表示させたインジケーターです。
- スクイーズ
- エクスパンション
- バンドウォーク
ボリンジャーバンドの動きは、基本上記の3つの動きの繰り返しなので、初心者でも分かりやすいインジケーターです。
順張り・逆張りにも対応しているので、様々なトレードスタイルに対応できます。
ボリンジャーバンドの弱点を補うために、オシレーターを入れることもおすすめです。
ボリンジャーバンド以外のインジケーターは、↓の記事にまとめています。